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イベントレポート/すこやか未来トーク in くまもと -これからの社会保障を考える-

イベントレポート

すこやか未来トーク in くまもと
これからの社会保障を考える

健保連熊本連合会主催の「すこやか未来トークinくまもと –これからの社会保障を考える–」が9月12日(土)、熊本市のホテルニューオータニ熊本で開催された。イベント冒頭、主催者を代表して肥後銀行健康保険組合の林田千春常務理事が挨拶し、国民一人ひとりが健康であることの大切さ、素晴らしさをアピールすると同時に、健康を支える国民皆保険制度について、今一度、出演者、参加者全員で考えてほしいと述べた。またイベント前半では、フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏が「いつまでも若く生きる秘訣」と題し、特別講演をおこなった。自身の体験を交えながら、会場と一体となり、笑いあり涙ありの展開で健康の大切さを訴えた。そして後半は、衆議院議員 野田毅氏(熊本2区)と生島ヒロシ氏によるトークセッションを開催。「明日の健康と安心のために」をテーマに、両者から健康や皆保険制度、またその財源となる消費税率引き上げ分の使途について見解が示された。

【トークセッション】 あしたの健康と安心のために

  • 生島
  • 今日は「あしたの健康と安心のために」をテーマに、トークセッションをさせていただきます。楽しいこと、厳しいことを含め、いろいろお話をうかがわせていただきますので、よろしくお願いいたします。早速ですが、野田先生のその元気の素はなんですか。
  • 野田
  • まずは、ストレスを溜めないことですね。そして、時間を見つけてすぐ寝ること。この2つが私の1番の健康法ですね。東京では、朝8時から会合があります。ですから朝歩くなどの運動はきついんですね。ほぼ毎週地元に帰ってくるので、空港までの車の中と、行き帰りの飛行機の中で、1時間くらいは寝るようにしています。
    それから、常に笑顔を絶やさないようにすること、これも健康法の1つですね。

  • 生島
  • なるほど、ストレスを溜めずに寝て、いつも笑顔でいるなんて、いい健康法ですね。政治の世界では、みんなの気持ちはわかるけど、これは国のためにやらなければならないとか、いろんなことを考えなければならないでしょうからストレスを溜めないのは大切ですよね。

    ところで、今まさに考えていただいている1つに健康と切っても切り離せない「健康保険」の問題があると思います。じつはある高名なお医者さんが、世界の医療の現場を研究される中で「日本人がこれだけ健康でいられるのは、やっぱり健康保険があるから。健康保険を大切にするってこと、皆保険制度というのは、世界に誇れるものだ」と強調していらっしゃいましたが、野田先生は、どのようにお考えですか。

フリーアナウンサー/
東北福祉大学客員教授
生島 ヒロシ 氏
1950年宮城県生まれ。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業。1976年TBS入社、ラジオ番組を振出しに、アナウンサーとして活躍。1989年独立。その後、ファイナンシャルプランナー、NPO日本食育インストラクター、防災士、eco検定、福祉住環境コーディネーター、ヘルスケアアドバイザー、金融知力インストラクターの資格を取得。現在、TBSラジオ系「ヒロシのおはよう定食・一直線」等の番組出演、CM出演、講演など多方面で活躍中。著書に「この一冊で相続のことがまるごとわかる本」(大和書房)、「ご機嫌な老活」(日経BP社)など。
  • 野田
  • 世界に冠たる皆保険制度と言っていいと思います。
    日本が長寿社会になっているかなりの部分は、この皆保険制度によって、いざという時にそれほどの収入がなくてもお医者さんにかかることができる、健康を取り戻すことができるようになっているからだと思います。皆保険制度は、世界の関係者がうらやましく思う制度ではないでしょうか。
    その分、この制度を守っていくのは大変なことも伴います。

健康保険の現状と抱える問題、未来について考える

衆議院議員/
自民党税制調査会会長
野田 毅 氏
1941年生まれ。東京大学法学部卒業。旧大蔵省を経て、1972年の旧熊本1区での初当選以来、衆議院議員として当選15回を数える。この間、エネルギー、中小企業、農業、金融をはじめ、自民党の調査会の責任ある立場で幅広く政策の立案に携わり、合わせて建設、経企庁、自治大臣を歴任。現在、熊本県においては自民党国会議員団の団長として県の数多の要望実現に取り組み、国政においては自民党税制調査会会長という立場で、政治の根幹である税制を構築する責任者として公平・公正、そして日本経済の成長につながる制度設計に携わる。自民党社会保障制度に関する特命委員会委員長も務める。
  • 生島
  • 皆保険制度を守るうえで、現実的に避けては通れない問題を率直にお話してください。
  • 野田
  • 皆さん、税金が安ければいい、自己負担もできるだけ低い方がいい、税金は他の人が払ってくれればいいと、誰もが思うんです。現実的には、若いうち、元気なうちと、ある程度年をとってからではちょっと違うんです。それは、年をとってくるとどうしてもお医者さんとの関わりが強くなります。統計的に見ても、64歳以下と65歳~74歳と75歳以上と、医療費が違うんですね。日本は今、ありがたいことに長寿社会になりました。そうすると、介護でもお世話になる割合が75歳以上とそれ以下ではケタが違う。75歳以上では、どんどん上がってきているわけです。
  • 生島
  • 確かに、医療費がどんどん上がって、健康を守るために必要不可欠な健康保険で必要とする金額も上がってくるわけですね。わが国は、1000兆円ともいわれる借金を抱える借金大国でもあるわけです。これで大丈夫なのですか。
  • 野田
  • そこなんです。借金がある以上、どこかで返さなければいけない。今は、若い世代にその負担をつけ回しにしているだけなんです。このまま行くと、2025年問題にぶつかってしまいます。2025年問題とは、いわゆる団塊の世代が、これから10年すると75歳以上になることなんです。そうすると介護のお世話になるし、病気にもなるし、これからも医療費が増えていくんです。それなのに、負担する現役世代の方が減ってくる。赤ちゃんが少ないというのも問題ですが、最も問題なのは、15歳から64歳の働く人たち、いわばお金を払う人たちが減ってきていることなんです。このままでは、もうもたないので、消費税率を5%から8%にしました。それでも足りないので10%にしなきゃいけない。しかしありがたいことにこれだけの長寿社会になったのだから、みんなで負担しあうというのは、避けられないということなんです。
  • 生島
  • なるほど。それが現状なのですね。そしてその避けられない問題を解決するためにあれこれ考えたのが、消費税増税ということですか。
  • 野田
  • 国民の健康を守り、皆保険制度を守るために、消費税増税をおこない、その使い途を医療と介護と年金とプラス少子化対策にしか使わない、それ以外に一銭も使わないという仕組みに切り替えたわけです。だから、皆さんが消費税で納めた税金は、びた一文国会議員の歳費にはなりません。公共事業にも回さない。防衛費にも一切いきません。ODAにもいきません。全部、社会保障のために使っています。今のところそれでも足りなくて借金している。それが今日の姿なのです。
  • 生島
  • 野田先生、消費増税とその使い途についてはわかりました。健康や皆保険制度を守るのは、増税だけではすまないということですね。最近はセルフメディケーションといって、自分で健康を保つこと。少々のことでは病院にいかなくて済む健康維持も大切だっていわれていますが、どのようにお考えですか。
  • 野田
  • そうです。健康や皆保険制度を守っていくために、もうひとつ大切なことがあると考えています。それは、同じ医療や介護だとしても、健康長寿を大事にする。みんなで元気になれば、結局お医者さんにかかる人も減ってくるし、これがいちばん大事なことではないかということです。いま私は党の、税の責任者と社会保障の責任者の両方を兼務しており、どちらも問題を解決していかなければならないのです。できるだけ医療費がかかることを減らしていくことはもちろん、病気にならないように健康を保つということも大切なんです。健康で長生きすることで、自分も幸せ、周りも幸せになっていくということに力を入れたお金の使い方に持っていかなければならないんですね。そこでいま、それぞれの分野で、努力をして実現できるように一生懸命取り組んでもらっているんです。
  • 生島
  • 確かに、元気で長生きして 医療費がかからないで済むというのは重要ですね。実際どのような取り組みがあるのか、わかりやすい例などありましたらご紹介いただけますか。
  • 野田
  • これは一例ですが、具体例としては、熊本県長洲町との取り組みがあります。長洲町では、町内の十数か所でちょっとした寄合ができるような場所を作って、お年寄りの方がたが5人~10人が集まって、将棋やカラオケしたり、いろんなことをやっているんです。それで1年ぐらいやってみて、後でしっかりデータを取るといっていました。高齢者になって家に1人でいるのはいけませんね。外に出て行って、人とコミュニケーションをとること、これが1番。いまの時代、自分の趣味の世界がだんだん専門的になってきて、いろんな教室でお稽古ごととかやってるんですね。要するに自分が人から必要な人だと思われることが、ものすごく大事なことなんです。自分は誰からも必要と思われていないのが、一番寂しい。そこで、趣味の世界なんかでどんどんお友達を広げていって、外に出て脳を使い、体を使いというのが何よりもの健康法だと思うわけです。
  • 生島
  • 実際に国のしくみや税金を変えようとしている現場の状況について、ほんの一端だとは思いますが、知ることができました。
  • 野田
  • そうですね。今回、お話したような取り組みを、もう少し政策的な形でしっかりと体系化できないか、政策的にきちんとした位置づけにできないかと厚労省の担当者たちと対策をたてています。もちろん、健保組合の方たちにも知恵を出していただき、極力健保組合財政のプラスになるようにと努力をしてもらっているところです。

  • 生島
  • いろいろと大変ですね。僕なんかは、日本人として生まれて、日本に生まれてよかったなと思うんです。これからの将来のことを考えると、人間として当たり前の暮らしができるような、グランドデザインといいますか、大きな将来の絵を国からちゃんと国民に示してもらえたらいいなと思うんです。そうすれば、だったらここは我慢しましょうとか、病院に行く回数を減らそうとか、いろんな自助努力をしようとか考えられます。野田先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。

生島 ヒロシ 氏 フリーアナウンサー/東北福祉大学客員教授
1950年宮城県生まれ。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業。1976年TBS入社、ラジオ番組を振出しに、アナウンサーとして活躍。1989年独立。その後、ファイナンシャルプランナー、NPO日本食育インストラクター、防災士、eco検定、福祉住環境コーディネーター、ヘルスケアアドバイザー、金融知力インストラクターの資格を取得。現在、TBSラジオ系「ヒロシのおはよう定食・一直線」等の番組出演、CM出演、講演など多方面で活躍中。著書に「この一冊で相続のことがまるごとわかる本」(大和書房)、「ご機嫌な老活」(日経BP社)など。

野田 毅 氏 衆議院議員/ 自民党税制調査会会長
1941年生まれ。東京大学法学部卒業。旧大蔵省を経て、1972年の旧熊本1区での初当選以来、衆議院議員として当選15回を数える。この間、エネルギー、中小企業、農業、金融をはじめ、自民党の調査会の責任ある立場で幅広く政策の立案に携わり、合わせて建設、経企庁、自治大臣を歴任。現在、熊本県においては自民党国会議員団の団長として県の数多の要望実現に取り組み、国政においては自民党税制調査会会長という立場で、政治の根幹である税制を構築する責任者として公平・公正、そして日本経済の成長につながる制度設計に携わる。自民党社会保障制度に関する特命委員会委員長も務める。

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