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健康みらいトーク in 大阪 第一部 講演

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健康みらいトーク in 大阪
第一部 あなたの健康、だいじょうぶ?

健康保険組合連合会大阪連合会主催の「あなたの健康、だいじょうぶ? —健康みらいトーク in 大阪—」が5月22日、大阪商工会議所にて開催された。
冒頭では、健康保険組合連合会大阪連合会 小笹定典会長があいさつし、少子高齢社会を迎えたいまこそ、健康管理がより重要性を増してくると強調。一人ひとりの幸福はもちろん、ひいては医療費抑制および皆保険制度の維持にもつながることを訴えた。

第1部では、タレントの向井亜紀氏による「夢が生きる力となる」と題した特別基調講演を開催。子宮頸がんをはじめとする自らの闘病経験から得た、長く健康でいるための秘訣について、軽妙な話題を織り交ぜながら展開した。笑いあり、学びあり、そして胸に沁みる感動あり。終盤には涙ぐむ方の姿も見られた。

第2部では、医師で前参議院議員の梅村さとし氏をコーディネーターに迎え、タレントの向井亜紀氏、参議院議員 太田房江氏(自由民主党)、参議院議員 おだち源幸氏(民進党)によるパネルディスカッションを実施。
日常の健康方法から健診の大切さ、皆保険制度を維持していくための意見まで、多彩なテーマを取り上げながら、三者三様の個性的な見解やアイデアが会場を飛び交った。

閉会の挨拶では、健康保険組合連合会の白川修二副会長が「日本の皆保険制度を守るには、国民一人ひとりが医療資源を効率的に使うことを心がけ、節制を自覚する必要がある」と述べ、医療制度の末長い維持に向けてともに取り組んでいくよう参加者に呼びかけ、大会を締めくくった。

【特別基調講演】 夢が生きる力となる

タレント
向井 亜紀 氏
日本女子大学在学中、ラジオ番組のDJとして人気を集め、以降テレビ・ラジオ・エッセー執筆・全国での講演会などで幅広く活動。1994年、格闘家の高田延彦氏と結婚。2000年、妊娠するも子宮頸がんによる子宮全摘出で、16週の小さな命を失う。2003年、米国での代理出産により双子の男子を授かる。
著書に「会いたかった 代理母出産という選択」(幻冬舍)など。

はじめて私ががんになったのは、35歳の終わりです。
いえ、この言い方は間違っていますね。35歳の終わりに、がんになっていることに気づいたのです。生理が止まって、「赤ちゃんができた!」と思い、産婦人科に行きました。その時に受けた検診で、子宮頸がんがわかったのです。それが35歳の終わりです。
お医者さんの診断によると、がんになったのは10年前だそうです。私は10年間も、がんに罹っていることに気づかずにいました。がんというのは、そういう病気なのです。皆さんは、病気のことや心配事は後回しにしていませんか。

今日は、縁起が悪いわ、怖いわ、と遠ざけてきたことを、一度自分に引き寄せます。怖くても、自分のこととして考えておいた方が、皆さんの未来は輝くと思います。
60歳代~80歳代の人が、「未来を明るくしていこうぜ!」という気持ちを持てたら、日本は変わります。健康寿命を5年10年と延ばしていきましょう!

私たちは長寿国に住んでいます。長生きだからこそ、がんになります。身体の中では、60兆個もの細胞が毎日新陳代謝しています。長く生きていると、この新陳代謝がミスプリントを起こすのですね。私たちの体内では、少なく見積もっても約5000個のがんの芽が生まれているそうです。それを免疫力、抵抗力、自然治癒力でやっつけています。

私は身体の細胞をイメージする時、田んぼを想像します。田んぼに稲を植えて、手入れをしていれば、秋には美味しいお米が実ります。でも、稲以外に雑草も生えてきます。その雑草こそが、がんなのです。雑草は、稲よりもパワフルにはびこります。でも自分の内なる草むしりの力、免疫力、抵抗力、自然治癒力が、がんを小さなうちに見つけて摘み取ります。見つける、摘み取る、見つける、摘み取る……といった地道な草むしりを、毎日続けています。だから私たちは、生きています。これまで草むしりしてくれている自分の内なる力を、今日からちょっと意識してください。「これまで毎日、身体の内側の草むしりをしてくれてるんだな」、そう思うと身体が愛おしくなりませんか?愛おしくなるというのは大チャンスです。

では、今日から2つ、身体のためにやってください。まず1つ目は、お風呂で自分の身体をなで回します。その時に、「ありがとね。草むしりしてね」と、感謝の気持ちを言霊にして身体へ染み込ませてください。たったそれだけで、違います。私も病気から復活した時、「私の身体の内側、頑張ってくれたんだな」と、やっと気がつきました。心や目や耳を身体の内側に向けられれば、早期発見の達人になれます。


2つ目は、寝るとき、一日の反省をしながら寝る人は今日から一切やめてください。枕に頭を付けたら、笑いながら寝てください。寝ている時、身体の内側の草むしりが一番効率的に行われています。
ほんわか、ゆったりした気持ちを優位に立たせて寝ることで草むしりのスイッチをオンにします。あれやってなかった、これやってなかった、と眉間にシワを寄せながら寝ると草むしりのスイッチが入りません。夜寝る時に笑うためのネタを毎日集めてください。無理矢理でもかまいません。向井亜紀、かわいかったな、とかね(笑)。久しぶりに友だちに会ってお喋りして楽しかったな、とか。寝る前に思い出して、クスッと笑いながら眠ってください。

人間は、心が身体に大きな影響を与える生き物です。地球上で人間だけが自分の命に終わりがくることを知りながら生きています。この事実を暗く受け止めたら、生きているのがしんどくなりますよね。「どうせ終わりが来るなら、努力しても同じじゃない」と思ったら、なんにもしたくありません。だからこそ、どんな風に生きるか、どんな未来に自分を連れて行きたいかを考える大きな脳みそを神様にもらいました。私たちは未来に向けて、たくさんイメージをつくればいいと思います。

私は病気の時、未来のイメージについて考えることを拒否しました。赤ちゃんは何も悪くないのに、赤ちゃんの命を摘み取って私は生きている。もう死にたい、と自暴自棄になって、何も食べられなくなりました。身体はどんどん弱っていって、敗血症になりました。心に映すイメージが下に向くと、身体は引きずり下ろされます。でも、これを悪いことだと思わないでください。良いこととして、捉え直すことができます。

私が入院した時、名誉医院長先生から聞いた言葉があります。
「がんというのは、今の日本ではもう怖がる必要のない病気だと思います」
たくさんのがん患者を見てきた人が、もう怖がらなくていいと言うのです。
がんを怖がらなくなる2つのポイントを教えてもらいました。

1つは、早期発見。これは大切です。健診などで身体の不調に気がつくことを、大事にしてください。身体の中から聞こえてくるSOSに耳を澄ませてください。昨日と今日の食欲の違い。1週間前と今日の手足の痺れの違い……。身体からのSOSをキャッチして、次のアクションにつなげてください。誰かに弱音を吐く。かかりつけのお医者さんに言ってみる。「いつもと違う」ということを、必ず言葉にして伝えてください。早期発見の達人は、SOSを受け取るだけではなく、誰かに伝えるところまでしています。

2つ目のポイントは、患者としての気の持ちようです。先生はおっしゃいました。「一生懸命研究して患者さんを治療するのは医師として当たり前。でも僕たち医師は、その部分にばかり注目して大事なことを置き去りにしてきたのではないか……。反省を込めて言いたいのは、患者さんの気の持ちようが、とても大事だということです。同じ時期に、同じぐらいのがんで、同じような手術を受けも、退院までの道のりや、退院してからの元気が変わってくる。患者さんの気の持ちようが、まったく違う未来をつくります」と。

先ほども言いましたが、頭の中にどんな未来のイメージをつくるかで身体は変わるのです。こういうことができたらいいなぁ。こんな所に行きたいなぁ。そういう、行きたい場所や会いたい人をいっぱい考えておくといいと思います。私の母が、実際それで長生きしたのです。母は尿路上皮がんになり、2年後には肺転移も見つかりました。抗がん剤が効きすぎて重度のアレルギー症状が出てしまい、しばらく寝たきり状態が続きました。「この状態から3カ月以上生きた人を、僕は知りません。いろいろと準備をはじめてください」と先生にも言われました。

でもね、そこから、うちの母は4年半生きました。それは母と一緒に、「やりたいことノート」というものをつけていたからだと、今ならわかります。ノートに行きたい所、やりたいことをたくさん書いてもらうことにしました。抗がん剤で爪が変形して書きづらそうでしたが、「これだけは自分で書くことが大事だよ」と伝えて、母は一生懸命書いてくれました。屋久島に行って屋久杉に抱きつきたいとかね。書くことが本当に大事です。それまで何も食べなかったのに、「屋久島へ行くには、もうちょっと体力つけたほうがいいんじゃない?」と言うと、食べはじめたのです。がんが飛び火したり、いろんなことが起きても、そこから元気になりました。

私は自分の心がペチャンコになった時、同じ時期に入院していた若いママから教えてもらったイメージのつくり方で、心を立て直しました。彼女は、息子の小学校の入学式に行くというイメージを心の支えにして頑張っていたのです。その生き方が凄かった。自分の胸の中に毎日具体的なイメージをつくっていました。ちゃんとカツラをかぶってメークをして、春色の口紅を塗って、パールのネックレスをして、車いすだけどパンプスを履いて。息子は、あの靴、あのソックス、あのジャケットでピカピカの1年生にして連れて行く。旦那には、あのスーツ、あのネクタイがいいな、あのコートを着てもらいたい。ビデオのバッテリーをフル充電して、子どもに残す言葉を小学校の桜の木の下で録画する。そのイメージの中に身体を引っ張り上げたのです。

私も、あのママを見習って退院するぞ!と思いました。退院する日に旦那とどんな話をしようか。お世話になった先生とヘルパーさんと看護師さんと、どんな話をしようか。そう考えながら、身体を引っ張り上げていきました。
皆さんは退院する日に、誰と一緒に喜びを分かち合いたいですか?目の前で退院を喜んでくれる人の笑顔が思い浮かんだ人は大丈夫。一番大事な人の一番嬉しい笑顔を映してみてください。誰の笑顔が浮かんできましたか?


私は旦那でした。お腹が膿んで痛くて半狂乱になるような毎日でしたが、退院の日に手が折れそうになるような力一杯の握手を旦那とするのかな、と考えたらクスッと笑ってしまったのです。私の身体がそこに行きたいと、応えているのではないかと思いました。そこからは早かったです。皆さん、大事な人の笑顔を大事にしてください。そんなことで未来は変わります。これからもどうぞ、お元気で。

向井 亜紀 氏 タレント
日本女子大学在学中、ラジオ番組のDJとして人気を集め、以降テレビ・ラジオ・エッセー執筆・全国での講演会などで幅広く活動。1994年、格闘家の高田延彦氏と結婚。2000年、妊娠するも子宮頸がんによる子宮全摘出で、16週の小さな命を失う。2003年、米国での代理出産により双子の男子を授かる。著書に「会いたかった 代理母出産という選択」(幻冬舍)など。

―健康みらいトーク in 大阪―
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